うつ病学会に行ってきました

こんにちは。酷暑が続きます。心身のコンディションを保つのが難しく、不調を訴える方が増えているように思えます。皆さんもご自愛下さい。
さて、先日東京で行われたうつ病学会2018に行ってきました。最近の学会は何処も盛況で席を確保するのが大変です。参加した感想などを記してみたいと思います。一昔前の学会は薬物療法の話しと、脳内の生物学的な話しが大半でしたが、近年は薬物療法以外の治療法が主たる話題となっています。
認知行動療法は既にうつ病の治療法として定着していますが、ネットを用いた遠隔療法が話題になっていました。遠隔療法ではありませんが「うつ・不安ネット」というサイトがあります。大野裕先生が監修しています。一部有料ですが役に立つ情報も多いと思います。
対人関係療法も注目されていて、認知行動療法よりも具体的な対人面の問題を取り上げて考えていく治療手法です。セッションの形が決まっていて外来で気軽に出来る治療ではないのが難点ですが、簡易型での普及が模索されています。
森田療法は昔からある歴史的な治療法ですが、ここに来て大注目されています。「あるがままの自分で良い」「気分よりも行動を重視する」といった思想を元にしています。現代人は気分を優先しすぎていて、「気分が自分を支配している」状態だと言われています。気分は気分で置いておいて行動してみることを説いています。
マインドフルネスは「今、ここ」に着目し、頭の中にある雑念から離れてみる時間を作ることによって調子が改善するという、瞑想を手法とした治療法です。マインドフルネス認知療法という治療もあります。
ポジティブ精神医学は新しい分野です。うつ病の人は未来のことをポジティブに考える事が苦手だという研究があります。本来は色々な悩みがあるはずの高齢者の幸福度が若い人よりも高いという統計があり、高齢者ほどポジティブな事に注目しそれを覚えている為だといいます。この辺りの事から派生して、幸せの因子を分析し、幸せになるための実践を行う事でうつ病の改善が出来ないかという考え方です。
rTMS反復経頭蓋磁気刺激療法は保険収載も間近で実際の治療に使用される日が近づいてきました。週5回1回40分4週間と治療は大変ですが、薬物療法よりも改善度が高く、副作用がほとんどないことが特徴です。
小澤こころのクリニックでもこれらの治療法を適切に取り入れ、皆様のこころの健康に役立てるように頑張っていきたいと思います。
ではまた。

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