名古屋の学会に行ってきました
こんにちは。梅雨も本番に入りジメジメした日が多くなってきました。
今日は少し学術的なお話をしようと思います。私は先日名古屋で開かれた日本精神神経学会学術総会に参加してきました。精神医学領域では日本で最もメジャーな学会です。開催場所の名古屋国際会議場は名古屋駅からは少し離れていますが、ビックリするくらい大きく広い会場で、のべ7000人という参加者を楽々飲み込んでいました。
最近の治療の流れとしてはお薬の治療は最小限にし、体に負担の少ない治療、心理的治療や自然な回復力(レジリアンス)を促す治療が話題になっています。
まず、rTMSといううつ病の新しい治療法が近い将来に登場します。反復経頭蓋磁気刺激療法というものです。薬物療法が上手くいかない方を対象にし、磁気コイルを利用して脳のDLPFC(背外側前頭前野)を刺激し、扁桃体などのうつ病に関係する神経を活性化するものです。薬物療法と異なり、副作用はほとんどなく、50%程度の方が改善するとの事です。
森田療法やマインドフルネスなどの心理的アプローチの話題も目立っていました。森田療法は、過去や未来の不確実な事柄から離れ、「今ここ」に専念して不安を取り去るという日本独自の治療法で、昔からあった治療が再注目されているものです。マインドフルネスはインドの瞑想をヒントに開発されたもので、雑念から離れて脳を休息させる方法です。私たちの脳は考えていない時にも、DMN(デフォルトモードネットワーク)が忙しく働いていて、それが脳の疲れの原因と考えられています。DMNをコントロールすることがマインドフルネスの目的です。
その他にも、家族介入の方法やオープンダイアログという当事者家族主体の治療法など新しい方法が報告されていました。クリニックでも少しづつ取り入れて、患者さま主体の優しい治療を模索していきたいと思います。
名古屋名物のひつまぶしは美味でした。食べ方が3通りあり、食べる前に店員さんの3分間の講義があります(^^; 。心も身体もエネルギーを充填して帰ってきましたよ。
ではまた。
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owner (2017年06月25日 09:43日曜日) | コメント(0)
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